グラフィックデザイナーのニーズ

ゲームグラフィックデザイナーはゲームに表示されれるものすべてをデザインして、コンピューターグラフィックとして仕上げる仕事です。
キャラクターや背景、アイテムなどそれぞれの担当に分かれ、膨大な量のグラフィックを作成していきます。中小企業のグラフィックデザイナーなら一人のデザイナーが兼任することが多く、負担も大きいですが、様々な業務を経験することができます。

グラフィックはゲーム量の制限がありますので、制約のもとで美しいものを作り出す試行錯誤をしていくことになります。
今ではゲーム機もニーズも多種多様になってきており、それぞれに対応していく必要があります。その中でも最も大きな市場は家庭用ゲーム機で、高いスペックに合わせた精密なCGや音量技術を駆使したゲームが多く流通しています。ヒットすれば利益も大きいですが、開発費がかかるというリスクがあります。

今ではほとんどの人がスマートフォンを持っていますので、モバイルゲーム制作が注目度が高まっています。開発費も家庭用ゲーム機と比べて低くて済み、中小のメーカーが次々と参入しています。ゲームグラフィックデザイナーとしてもここの案件が多いので、専門学校に通っている間からモバイルのグラフィックについて研究しておくと良いでしょう。

ポートフォリアのコツ

専門学校でゲームグラフィックデザイナーの勉強をしたら
次は就職活動を行います。
その際必要となってくるものがポートフォリア。
これは自分をアピールするための作品で、分身とも言えるものです。
ここでは制作のコツを書いていきます。

まずは提出できる作品を選定します。
今まで学校の課題などで作成してきたものの中から選びます。
このような作品がない場合は、これから新たに作成してください。
ただ、クリエイティブな仕事となるので、自分の個性を印象付ける
オリジナリティが伝わるような作品でアピールするのが良いと思います。

そして志望する会社の色にあうように、作品のコンセプトを設定します。
企業にはそれぞれに色があり、作っている作風も違います。
それを理解したうえで、自分の作品の中からそこに近いものを選ぶのが良いでしょう。

また、書類選考で使うため多くの作品を見ている担当者に、
会社にとって必要な人材だと思わせる必要があります。

そのため、企業にあった作品になるように作り直し、目を通しやすい
1ページ目にココを見て欲しいというものを持ってくることも大切です。
自分の見せたい、アピールしたい部分を目立たせるように
コンセプトを考えて作成するのです。

上記は一例ではありますが、人生を決めることとなるので
少々時間をかけてでも良いものを作るのが良いでしょう。

グラフィックデザイナーの現状

グラフィックデザイナーになるために学校に通おうと思っている人は、デザインがしたい、グラフィックデザイナーに憧れを抱いている人などが多く、その現状についてあまり知らない人が多いかもしれません。

そこで、実際にグラフィックデザイナーの仕事をしている人たちの声をまとめてみました。

まずは、年収ですが、昔に比べると、グラフィックデザイナーが増えたり、クライアントがパソコンを操れることが増えたので、単価が落ちてしまい、あまり給料に満足していない人(年収300万円前後)が多いそうです。

また、他業種よりも遥かに残業しているのに、給料が低いといったこともあるそうです。

高収入を望むためには、フリーになる、もしくは、他のグラフィックデザイナーよりもセンスを見せて有名になっていくしかなさそうです。

しかし、残業が多い、収入が低い、などのマイナス要素はあるものの、やりがいに関しては申し分なさそうです。

やはり、自分でデザインしたものが世間に広がっていくのは、魅力的であると感じる人が多いです。

グラフィックデザイナーの現状を踏まえた上で、学校に通ってグラフィックデザイナーを目指しましょう。

デッサン力を鍛える

ゲームグラフィックデザイナーの仕事は、デジタル作業がほとんどなのですが、基礎となるデッサン力も欠かせない重要な技術です。

デッサンとは、素描のことです。

素描とは、鉛筆やペン、木炭などを使って描かれる画のことで、色彩を用いずに白と黒だけで表現されます。

なので、デッサンには奥行や影を意識した濃淡の捉え方など、観察力とそれを表現する高い技術が求められます。

ゲームグラフィックは奥行きのある3DCGです。

立体で描かれているので素材も立体と思われがちですが、始めは二次元のイラストから作られています。

正面から見た画と側面から見た画。

そして、後ろから見た画を組み合わせ、立体的にどれほどの厚みや太さがあるかを描くようになるので、デッサンの技術も必要となってくるのです。

ゲームグラフィックデザイナーを養成するほとんどの専門学校では、まずデッサンから学びます。

また、ゲーム業界内でもデッサン力のあるグラフィックデザイナーを求める傾向があるので、デッサン力は、もはやなくてはやっていけないほどの技術なのです。

ゲームグラフィックデザイナーを志した時は、まずデッサン力から鍛えるようにしましょう。

背景グラフィックの仕事

ゲームグラフィックに欠かせない要素の一つが背景です。

グラフィックデザイナーの仕事はキャラクター・背景・アイテムなど担当に別れています。

それぞれが別に作るのですが、最後には一つのものにするので感覚の共有などのチームワークが必要です。

ゲームグラフィックは、空や海、街、森、川、など現実世界にあるものから幻想的な空間まで、背景は時と場所によって変化します。

また、キャラクターとの整合性も考えなければなりません。

可愛らしいキャラクターの背景にリアルな建物や暗い風景が広がっていては違和感を感じてしまうものです。

今のは極端な例ですが、キャラクターと一致する背景というのはバランスを取ることが難しいものです。

一つ一つのゲームにあった背景を描くので、ゲームグラフィックデザイナーの技量の幅は広くなければなりません。

プレイ中はあまり背景を気にしないものですが、ゲームグラフィックが自然に見えるのはキャラクターと背景グラフィックのバランスが取れているからです。

視点を変えて背景がどんな風に作られているのか見ていくのも、一つの楽しみ方となるでしょう。

就職に強い”UIデザイナー”

UIデザイナーはゲーム業界以外にもTVやスマホ、ケータイの部門でもスキルを応用できます。

UIとはユーザーインターフェイスのことで画面に表示されるデータのこと。

ゲーム上ではアイテムのアイコンや体力ゲージがこれに当てはまります。

UIは派手さに欠けるのでキャラクターなどの3DCGを手掛けたい方には退屈なことのように思えますが、TVやケータイなど就職口が広く柔軟に対応できることが長所と言えます。

UIは表示されるだけなので必要な情報を載せるだけのように見えますが、そこには数多くの工夫が陰に存在するのです。

「ユーザーに必要な情報は何か?」「見やすくするための色やデザインを考えよう」「動きや形状を変えて美しく見せよう」と、注目してみるとデザイナーの個性がうかがえます。

その逆にデザインが悪ければユーザーが離れてしまうという致命的な結果も招いてしまうので、緊張感とやりがいが常に意識される重要な仕事です。

あまり注目を浴びていなくても、UIデザインはユーザーのシビアな潜在意識を動かしているのです。

ゲームグラフィックデザイナーの進路

大阪の専門学校に入り、ゲームのグラフィックデザインを勉強する。

ここまではいいと思います。

その後、どの地域で働くのか、ということが問題になるのかもしれません。

これまで書いてきたとおり、ゲームの制作会社は、東京にも大阪にも福岡にもあります。

現在では福岡の会社が注目を集めていますが(優秀な企業が多い、土地の地盤が安定していて地震などの被害が起きづらいらしい、などの理由)、大都市ならばどこにでもあるといっていいでしょう。

そして、求められるものは、どこの都市でも変わりません。

大阪で就職しやすいのであれば、まずは近くの企業で修行するのがいいでしょう。

これだけネット環境が発達している現在において、どこが「中央」であるのかは分かりません。

それは、優秀な人がいるところが「中央」である、という認識を持っていいのでしょう。

つまり、かつてのように、大阪で成功して、東京に行って一からやり直さなければならない、というような状況はほとんどないといえます。

自分がいるところがゲームグラフィック界の中心だ、というくらいの気概を持って仕事に臨んでください。

大阪にある学校の、それぞれの強み

ゲームのグラフィックデザインを学べる学校は、本当に数が多いので、選ぶのが大変です。

進学先の決定で悩んでいる人も多いかもしれませんので、それぞれの学校の強みを記載していきます。

・大阪アミューズメントメディア専門学校
この学校の強みはなんといっても、在学1年目からゲーム作品を作る実習があるというところです。

プロが評価を下してくれるので、ゲームの世界のシビアさを感じることができるはずです。

この制作の経験が、後々、就職活動をする際に自分の強みとなってきます。

・HAL大阪
こちらの学校は、東京と愛知に姉妹校があります。

世界で初めて、任天堂と提携をした学校です。

任天堂でゲーム作りをしている人たちの講義をきけますし、プロ用のソフトを使って、ゲームを開発できる環境です!

学生でひよっこの段階から、そんな素晴らしい体験ができる学校はそうありません。

また、クロス・フィールド教育という制度を導入していて、そこで他分野と交わりながら自分の専攻分野を伸ばしていくことができるので、広い視野で物事を見る訓練ができるのです。

まだまだ大阪にはいい学校があります。

学費の面、住まいの面などを考慮して、進学先を決めて下さい。

就職先は?

ゲームグラフィックデザインを学んだ後の就職先。

これが一番、気になるところだと思います。

ゲームの、グラフィックデザインを学びたいという人は、ゲーム業界に就職したいという思いがすごくあると思いますので、ゲーム制作会社への勤務を希望するでしょう。

もちろん、大阪には100を超す会社があるので、大阪で就職することが可能です。

中には、デザインだけを請け負っている会社もあるので、グラフィックデザイナーにとっては、願ったりかなったりではないでしょうか。

また、もし、ゲーム業界への情熱が薄れてしまったということであっても、他の業界を目指すことができます。

グラフィックデザインは、色々な場所で利用されている技術ですので、このスキルを持っていることは強みにつながるのです。

広告業や出版業、デザイン会社、印刷会社など、ありとあらゆる就職先があります。

そしてこれらは東京の次に大阪に多くの企業があるので、問題ありません。

授業内容

東京だから、大阪だから、福岡だから、と、ゲームのグラフィックデザインを学ぶ上で、違うことはありません。

ほぼ全て、同じようなことを勉強することができます。

特に、ゲームは全国で作られていますし、よくあるように、東京に出て技術や知識を習得しなければ!というような考えは持たなくてよいです。

どんな授業が行われているのかをご紹介しますね。

まずは、絵を描く授業です。

最初はデッサンから入ります。

その後で、色彩を付け、ゲーム画面にいてもおかしくないバランスというのを学んでいきます。

人間のキャラクターを描くのでしたら、人体の動きについても勉強していきます。

その次に、コンピュータグラフィックを勉強します。ここが最も大事な時間です。

イラストレーターなどの専用ツールを使うので、まずはこのツールを習得します。

ペンタブと言われるものを使いますが、それも最初は使うのが難しく、自分の絵を描けないと悩む人も多いのです。

学校は、自分がいかに勉強するかです。頑張ってくださいね!